ウィークリーレポート
6月はコロナショック以来の1桁社数
6月のIPOが出そろった。合計7社が承認され昨年同月比では4社減。同月の上場社数が1桁台となるのはコロナショックの影響を受けた2020年以来5年ぶりだ。時価総額100億円未満の案件は2社のみであり、市況のいいなかで明らかに上場維持基準厳格化の影響を受けている。
その2社も順調に成長すれば2~3年後には100億円に無理なく到達できそうな業績規模だ。もう営業利益5億円にも届いていない上場してしばらくしたら忘れられてしまいそうな中堅企業の東証上場は難しくなったとみていいだろう。
ただこうなると競合不在などで、評価の難しい成長企業の扱いが困ったことになる。例えば暗号技術ベンチャーのゼンムテックだ。今の時価総額は160億円に達するが、公開価格の値付け段階では20億円強に過ぎなかった。
市場の期待通り高成長に至るなら上場はいずれ実現できるだろうが、「社会的信用の獲得」はそれまでお預けだ。現状の結果は出ていない場合、こうした不確かな「市場の期待」を値付け段階でどこまで織り込むかは難しい判断となる。それこそが「主幹事の腕の見せ所」なわけだが、ベンチャーの市場の評価は移ろいやすいもの。最初から高くし過ぎると逆に警戒感を生みかねない。悩ましい問題である。
その2社も順調に成長すれば2~3年後には100億円に無理なく到達できそうな業績規模だ。もう営業利益5億円にも届いていない上場してしばらくしたら忘れられてしまいそうな中堅企業の東証上場は難しくなったとみていいだろう。
ただこうなると競合不在などで、評価の難しい成長企業の扱いが困ったことになる。例えば暗号技術ベンチャーのゼンムテックだ。今の時価総額は160億円に達するが、公開価格の値付け段階では20億円強に過ぎなかった。
市場の期待通り高成長に至るなら上場はいずれ実現できるだろうが、「社会的信用の獲得」はそれまでお預けだ。現状の結果は出ていない場合、こうした不確かな「市場の期待」を値付け段階でどこまで織り込むかは難しい判断となる。それこそが「主幹事の腕の見せ所」なわけだが、ベンチャーの市場の評価は移ろいやすいもの。最初から高くし過ぎると逆に警戒感を生みかねない。悩ましい問題である。